お酒を飲み過ぎるとハゲるのは本当か?―アルコール摂取と男性型脱毛症

タバコ、ストレス、睡眠不足、肥満と、日常生活に関係することの中で、ハゲや薄毛の原因となると言われているものはたくさんあります。

アルコール摂取、つまりお酒を飲むとハゲるというのもその一つ。

今回は、飲酒をすると本当に薄毛になるのかどうか、徹底的に検証してみました。

時間がない方は最後の結論部分だけ読んでもらっても大丈夫です。

お酒を飲み過ぎるとハゲるというのは本当か?

二つの前提

1. 適度な飲酒は基本的に問題ない

最初に前提として言っておきたいのは、適度な量の飲酒であれば問題はまずないということです。

古代中国において「酒は百薬の長」と言われたように、健康を害さない程度にお酒を飲むことは、体に良いと言われます。育毛という観点からは、ストレス解消や血行改善などが期待できます。

というわけで、お酒やアルコール摂取が薄毛につながるかどうかを考えるときには、飲み過ぎたときのことを想定しています。

体質的にお酒が飲めないとかでなければ、適量の飲酒は基本的に問題ないと考えて大丈夫です。

2. 薄毛やハゲの原因とは?

一言で薄毛やハゲと言っても、その原因はさまざま。

男性型脱毛症や円形脱毛症などが原因になることもあれば、健康状態の悪化によって髪の毛が抜けることがあります。

その原因によって、放置しておくと薄毛化がどんどん進行していくものもあれば、自然に治るものもあります。

「薄毛やハゲの原因」と言われるものはたくさんありますが、その「薄毛やハゲ」の性質がどのようなものなのかはしっかりと理解しておくことをオススメします。

過剰な飲酒が薄毛を引き起こすと言われる理由

過剰なアルコール摂取が薄毛を引き起こすと言われる理由をまとめると、ほぼ以下の理由が挙げられています。

  1. 眠りが浅くなることで自律神経が緊張、男性ホルモンが増加
  2. 糖質の過剰摂取で頭皮の皮脂が増える
  3. アセトアルデヒドがジヒドロテストステロンを活性化
  4. アルコール分解にアミノ酸、ビタミン、亜鉛が消費され、栄養不足に

結論から言えば、これらの理由は誤っているものもあれば、薄毛・ハゲにつながるものもあります。一つずつ検証していきましょう。

眠りが浅くなることで自律神経が緊張、男性ホルモンが増加

アルコールを大量に摂取すると眠りが浅くなることがあります。

眠りが浅かったり、夜寝れないと、自律神経が緊張し、交感神経が優位になります。この状態は、体が興奮している状態となるので、男性ホルモンであるテストステロンの分泌が促進されます。

テストステロンは直接薄毛の原因となるわけではありませんが、男性型脱毛症(AGA)を発症している場合には、5αリダクターゼという酵素によって、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンに変換されてしまいます。

つまり、すでにAGAになっている場合は、過剰な飲酒で睡眠不足が続くと、ジヒドロテストステロンが増えて薄毛化が進行する可能性はあります。

糖質の過剰摂取で頭皮の皮脂が増える

実はお酒にはかなりの糖質が含まれています。

糖質は体内吸収の過程で一部が脂質に変換されるため、大量にお酒を飲むと体内に脂肪分が増えることになります。

この脂肪分によって頭皮の皮脂が増え、皮脂が毛穴に詰まることで薄毛化やハゲが起こると言われます。

しかし、現在の毛髪科学の知見によれば、この説はほぼ誤りとなります。

糖質によって体内の脂肪分が増え、頭の皮脂が増える可能性はありますが、皮脂が多いからと言って薄毛につながるわけではありません

男性型脱毛症は男性ホルモン、円形脱毛症は免疫機構が主な原因となるため、皮脂が原因ではありません。

また、脂漏性脱毛と呼ばれる脱毛症もありますが、これは本当に頭がべたべたになるほど過剰に皮脂が分泌されて起こるため、結構な人が皮脂が多いなと感じる程度では脱毛が起きることはありません。

アルコールを過剰に摂取するとハゲるという説の中でも、この皮脂が原因で薄毛につながるという説は基本的には誤りと考えて大丈夫です。

アセトアルデヒドがジヒドロテストステロンを活性化

体内に摂取されたアルコールはまずアセトアルデヒドという物質に分解され、さらにアセトアルデヒドが酢酸に分解されることで無害化されます。

アセトアルデヒドは二日酔いの原因になると言われている物質で、毒性を持っています。

このアセトアルデヒドが、男性型脱毛症の原因となるジヒドロテストステロンの活性を強めるという説があります。

この説が正しければ、すでにAGAを発症している人において、過剰な飲酒は薄毛化を進行させる可能性があります。

これについては現在、詳細を調べているところなので、また新しい情報を書きたいと思います。

アルコール分解にアミノ酸、ビタミン、亜鉛が消費され、栄養不足に

アルコール分解の過程では、システインやメチオニンなどのアミノ酸、ビタミンや亜鉛が多く消費されます。

これらの栄養分は髪の毛の成長にも不可欠なものなので、過剰な飲酒を続けていると、結果的に髪の毛が弱ってしまう可能性があります。

健康な状態なら問題ないかもしれませんが、男性型脱毛症や円形脱毛症を発症している場合は、追い打ち的に髪の毛にダメージを与えてしまいます。

結論:過剰なアルコール摂取は、すでにAGAになっている場合は薄毛を悪化させる可能性あり

もう一度、過剰な飲酒が薄毛・ハゲにつながるという説の理由をまとめてみましょう。

  1. 睡眠不足となることで自律神経が緊張し、男性ホルモン(テストステロン)が増加
  2. 糖質分解によって体内の脂肪分が増え、頭皮の皮脂が増えることで毛穴に皮脂が詰まる
  3. アセトアルデヒドがジヒドロテストステロン(DHT)を活性化
  4. アルコール分解のためにアミノ酸、ビタミン、亜鉛が消費され、栄養不足に

このうち、頭皮の皮脂が増えて毛穴に詰まることで薄毛化を起こすという理由は、現在の毛髪科学によってほぼ否定されています。

従って、問題となるのは①睡眠不足によるテストステロン増加②アセトアルデヒドによるDHTの活性化③アルコール分解による栄養不足の三つです。

結論から言えば、男性型脱毛症を発症しているのでなければ、これらの要素は特に大きな悪影響を与えることはありません。

男性型脱毛症になっている場合は、過剰なアルコール摂取に注意

男性型脱毛症についてもう一度復習しておくと、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、そのDHTが男性ホルモン受容体と結びついて毛乳頭細胞に作用することで薄毛化を引き起こします。

男性型脱毛症を発症するかどうかは、5αリダクターゼの活性(どれだけテストステロンをDHTに変換するか)と、DHTに対する男性ホルモン受容体の感受性(結びつきやすさ)によります。

従って、遺伝的に5αリダクターゼの活性が低かったり、男性ホルモン受容体の感受性が弱い場合は、どれだけ体内でテストステロンが多く分泌されても男性型脱毛症を発症する可能性は低いです。

男性型脱毛症を発症していない人は、過剰なアルコール摂取を続けたとしても、毛髪が多少弱ったり抜けることはあるかもしれませんが、男性型脱毛症のように前頭部と後頭部が次第に薄くなっていくようなハゲを起こすことはありません。

逆に、すでに男性型脱毛症を発症している場合は、DHTの働きによって薄毛化が進行することに加えて、アルコールの影響によってさらに髪の毛がダメージを受けるわけですから、薄毛・ハゲを悪化させる可能性があります。

もちろん、AGAだからと言って、お酒を断つ必要はありません。適度な飲酒はストレス解消になったり、血行改善につながるので、むしろ良い効果の方が多いと言えます。

大事なのは、寝不足や栄養不足などの悪い状態を引き起こすほどの過剰なアルコール摂取を続けないことです。

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